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作・演出 西田大輔(AND ENDLESS) 織田信長役 中村誠治郎
舞台『ガーネットオペラ』稽古場レポート

 
西田大輔インタビュー
 
戦国ものを演出されることについて
西田大輔(以下:西):戦国ものを見せるメディア、映画や舞台、それから小説含めても、色んなジャンルがあると思うんですけど、舞台でしかできない事をやってみようということで、世代も若い世代で集まって、いわゆる僕らの価値観での織田信長、それからそこに集った有力武将、ライバルの武将達っていうものを、きちんと歴史に対するリスペクトは持ちつつ、自分たちの観点で切り取ってみたい、切り取ってみようというのが今回のコンセプトであり見どころです。
オリジナル解釈の部分もありますか?
西:解釈自体はオリジナルなんですけど、基本、年表を基にしています。年表っていうものにはきちんと載っているんだけれども、そこには歴史的事実が載っている。その中でその事実を基に、"行間"として書かれていないことを、ちょっと想像を膨らましたファンタジーになったらいいなというくらいの感覚ですね。
今回は何か仕掛けとかはあるんですか?
西:最初に座組で集まった時に、このカンパニーでしかできないことをやろうというコンセプトだったので、今回は全員持ち寄る得意技を劇場に持ち寄って毎回日替わりで、ほんとにリアリティなものをやろうと思っています。それぞれ得意な、モノマネかもしれないし、特技ですー、って対決する感じ
全公演、違うネタですか?
西:そうですね。毎ステージ、誰が呼ばれるか分からない。
えっ? そうなんですか? 今日はお前行け、みたいな? 全員が今日行く気持ちでいろということですね。
西:そうです。
なるほど。それはおもしろいですね。ということは西田さんが呼ばれる可能性はあるんですか?
西:いや、ないですよ(笑)あくまでその、舞台上に居る戦国武将達が入ってくる形になります。
ちょっとこれは違う話ですけど、西田さんご自身も俳優をなさってて、今回のように演出だけのお仕事をなさってても、1公演だけこっそり出たりなさるじゃないですか。今回はそれは?
西:もちろんないです(笑)
ないんですか。残念ですね。期待する人もいらっしゃるのでは。斬られる村人の役とか…。
西:いや、今回はそんなチャンスがないと思っています(笑)
本当ですか。じゃあもし舞台上で見つけられたらラッキーですね。それは楽しみにしています(笑)
西:はい(笑)

キャストとの出会い。中村誠治郎さん、宮野真守さん、入野自由さんについて
西:皆さん初めてご一緒します。まあ、活躍されている3人というのもあるんですけど、思っていたより非常に印象が良いというか、しっかりとしているし、礼儀の面でもしっかりしているし、稽古場の態度も含めてもやっぱり良い顔しているんですよね。元から、入った時から。そしてプロとしてきちんと仕事をされてますし。本当にそういう意味では僕が言うのもなんですけど、大した子たちだなというのは思いました。一人一人全然良い所が違うんですけど、共通して、みんなすごいです。
今、稽古に入られて何日目ですか?
西:ちょうど2週間ですね。中村くんは本当に全体を良く見ている子で、自分の出番以外にも作品全体をしっかりと考えて自分の立ち位置がどういうことなのかっていうことをすごく見ている。この作品を見てもやっぱりリーダーになるんですけど。しっかりと全体を見ながら作品に出てくる織田信長のあり方、一俳優としての佇まいっていうのを、劇中とリンクしているんですけどそれをすごい考えている男の子だなと思います。殺陣も本当にすごく滑らかな動きで綺麗ですし。
宮野くんはびっくりするくらいクレバーな子なんですよね。1言った事に対してそれの1つ先を考えて一緒に動けるなっていう。全体を通して全員がこういう目で向いてる時に俯瞰して物をちゃんと見れているっていうか、非常に頭のいい子だなと思います 。華のある。
入野くんはこの稽古場では一番と言っていいほどのムードメーカーですし、この作品においても少し驚くぐらい新しい観点を持っているというか、稽古場の観客の皆さんの空気を知っているんだなということが、若いのにもう完全に知っているというちょっと驚くお芝居をする子ですね。まあムードーメーカーですし、なくてはならない存在にもうすでになっているという感じです。

応援してくださる方々へのメッセージ
西:上演時間は1時間20分、休憩20分、1時間20分で3時間を予定しています。盛りだくさんです。もちろん立ち回りを含むアクションのテンポとスピード感、それはアクションだけではない台詞でもあったりするんですけど、そのスピード感と観客を巻き込んだ躍動感みたいなのは見どころであります。でも、こういうものをやって見た目が派手な舞台っていうのは別に誰でも作れるなっていう気は正直するんですよ。派手な舞台は。なんですけど、有力武将達含めてこの戦国時代のこの人間達も集団で居たわけで、その集団に対しての人間の立ち位置っていうのは多分変わらないと思うんですよね。どの時代であっても、どの世代であっても変わらないので、そこら辺の緩急を含めた繊細な部分っていうのもやっぱり実はすごく見てもらいたい所ではあります。ビジュアルはとても綺麗で素敵な衣装で華やかに見えるんですけども、シアタークリエですごく新しいものを何か1つでも創ろうとみんなで必死になって頑張っているので、是非ともそういう新しい何かを、是非観に来てもらえたらなと思います。
ありがとうございました。

西田大輔

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